せどり(転売)の販売先といえば、どこが思い浮かぶでしょうか?
恐らくほとんどの方が”Amazon”と答えると思います。
というよりも、せどりというビジネスモデルは
Amazonなくしてここまで人気が出るビジネスにならなかったでしょう。
この記事を書いている2019年現在、
Amazonを販路としたせどりは着々と崩壊に向かっています。
しかし、巷では
「Amazonせどりで月収100万円!」
「副業するならまずはAmazonせどりから!」
みたいな情報を発信している人は後を立ちません。
僕も現役バリバリの物販プレーヤーなので、
これから始める皆さんには稼げますよ!と言いたいところなんですが、
声を大にして言える状態ではなくなってきているのが事実です。
この記事では、
これから副業や独立を目指している方が間違った選択をしないように、
Amazonせどりの現状と裏側まで包み隠さずお伝えしていきます。
CONTENTS
Amazonせどりが稼げた理由
絶対的なAmazonの集客力
僕が会社員をしていた15年前は、
「Amazonて何?」って状態でした。
その頃はECと言えばヤフオク、楽天市場ぐらいしかなくて、
「Amazonで買ってもちゃんと商品届くの?」ってレベルでした。
しかし、今はどうでしょうか。
インターネットで買い物するなら
Amazonを見ない人の方が少ないんじゃないでしょうか?
この20年余りでAmazonはEC業界のトップに君臨し、
世界で一番集客力があるプラットフォームに成長を遂げました。
もともと集客があるお店で
商品を販売できるほど楽なものはありません。
ですので、今まで物販をしたことがない人でも
Amazonに出品すれば誰でも商品が売れる。
誰でも稼ぐことができるようになりました。
絶大なるFBAの存在
説明不要かとも思いますが、
AmazonにはFBAというサービスがあります。
これは自分が販売したい商品をAmazonの倉庫に送るだけで、
販売→顧客までの配送→入金処理→売上着金
までをAmazonが請け負ってくれるサービスです。
最近では在庫管理や、価格改定なんかも
Amazonが自動で行ってくれるようになりました。
物販の最大のネックである
在庫保管と配送がいらなくなるので、
たとえ六畳一間の部屋に住んでいる人でも
数百種類の商品を販売することが可能になりました。
でもFBAがやってくれていることを
自分がやったとしたらどうでしょう?
まず、商品を置くためにだだっ広い倉庫を用意して、
商品が売れたら1つ1つ梱包して配送ラベルを貼って、
到着したかどうかを確認しなければなりません。
普通に個人レベルでは無理な話ですよね。
Amazonはここに目をつけてFBAを始めたわけです。
一番のネックを解決してあげることによって、
自社のサービスを使ってもらえるようにしたんですね。
これはEC業界の革命的なサービスになり、
Amazonにはせどらー達がどんどん参入できるようになりました。
バカでも売れるカタログ販売方式
Amazonはカタログ方式と呼ばれる商品ページ構成を採用しています。
「カタログ方式」とは上の画像のように
1つの商品に販売しているお店がぶら下がっている方式のことです。
皆さんが実際にこの任天堂スイッチを
お店に買い物に行くときのことをイメージしてほしいんですが、
普通はお店単位で商品が売られていますよね?
A店 B店 C店
というようにゲームを販売しているお店が並んでいて
実際にお店に入って商品や価格を見て、
どのお店で買うかを決めていると思います。
それに対してAmazonのカタログ方式は
Amazonの中には1つの商品につき1個のカタログしか存在しておらず、
基本的に一番安いお店から買えるような仕組みにしているんです。
カートの仕組みなど難しいことは省きますが
要するに、もともと売れている商品を
他のお店よりも安い価格にしておけば
誰でも商品が売れると思っていただければわかりやすいですね。
でも本来は、自分の商品を売りたいと思ったら
商品の良さを伝えたり、
写真や陳列をきれいに工夫したりと
色々考えなければなかなか買ってもらえるものではありません。
それこそが「物を売る」というノウハウ部分で
本来売れる人、売れない人を分ける部分なんです。
しかし、Amazonはそんなこと全く関係ありません。
ただ単純に価格を最安値に合わせるだけで
商品を売る力を持っていない人でも
カンタンに商品が売れてしまうんです。
これが何の知識もない人でもカンタンに商品が売れる理由で
売る人を増やすAmazonの作戦です。
でも結果どんなことが起こっているかというと
何も考えずに、何も悩まずに、
「ただ機械的に価格だけを下げて売るしかできないバカな人たち」
が育ってしまっているのも事実です。
Amazonせどりが稼げなくなった理由
メーカー出品規制
ではなぜ現在はAmazonせどりが
稼げなくなっているかを解説していきます。
まずは、
「販売できないメーカーやブランドが続々と増えている」からです。
しかもこれは、
今から始める人にかなり厳しい出品規制が課せられています。
ざっくり言うと、新規で取得したアカウントでは
ほとんどの有名メーカーの商品が販売できないと思ってください。
もちろん規制なので解除は可能ですが、
解除手順も年々厳格化されてきていて
メーカーから販売していいよ
というエビデンス(証拠書類)が必要になってくると考えた方がいいです。
しかもこの規制は昔に取得したアカウントには適用されていません。
例えば弊社のアカウントは6年前に取得しているので
ほとんどのメーカーが出品可能です。
なので今から始める人は不利でしかありません。
有名メーカー=売れる商品
ですので売上に直結してきます。
また、中途半端に売れる商品を売らざるを得ないので
不良在庫につながるリスクも高まります。
国内配送料の値上げ
2018年に国内の主要な運送業者が
揃って配送料の値上げを行いました。
これからせどりを始める方には
イメージが掴みづらいかと思いますが。
単純にダンボール一箱の送料が
1.5倍〜2倍に値上がりしたと思ってください。
せどりをやるには、郵便局やヤマトなどの配送業者と
一般の料金より安い配送料を契約することが必須になります。
しかしそれが今はべらぼうに高い値段になっています。
上にも書いたFBAを使えば関係ないと思われがちですが、
FBAを使う場合は、Amazonの倉庫への配送料がもちろんかかります。
例えば、すでに安い配送料を持っているせどらーと比べて
自分の配送料が2倍違った場合(普通に起こり得る話です)は
配送コストが単純に2倍かかることになるので、
利益額もその分低くなってしまいます。
1個あたりの配送料に換算すると
大した金額ではないと思うかもしれませんが
1年、2年とトータルしていくと
かなりの利益額に差が出てきてしまいます。
もちろん実績を積んでいけば配送料は安くなっていきますが
値上げ前の金額まで下がることはまずありません。
仕入れ価格の上昇
これは今から始める方だけが不利なわけではありませんが
お店でもヤフオク、メルカリなどのインターネットでも同じく
仕入れ価格が上がっています。
単純に商品が高くなっているというよりも、
売る側の相場リテラシーが上がっているといった方がいいかもしれません。
せどりでなぜ利益が出るかというと、
仕入れた時と売る時に価格差が存在するからです。
当たり前の話ですが、安く仕入れができないと利益は出ません。
現在では、
その商品がインターネットでいくらで売られているか
という情報は誰でもカンタンに手に入ります。
そしてメルカリなどを使って、
物を売ったことがない人でもカンタンに販売することができてしまいます。
一昔前は売られている価格もすぐには見れなかったし
何より売る手段が少なかった。
不用品といえばリサイクルショップに持っていくか、
ちょっとリテラシーが高い人はヤフオクに出品するか程度でした。
でも今は違いますよね。
カンタンに商品が売れる。
相場はネットを確認すれば大体の価格はわかってしまう。
これは不用品を売る個人だけではなくお店も同じです。
BOOKOFF系列などは
自らヤフオクに出品していますし、
他のリサイクルショップも店舗と並行して
ECでの販売も当たり前になっています。
これまでは販売価格と仕入れ価格のゆがみを利用して
せどらーが利益を取ることができましたが、
その価格差はかなり縮まっていると考えてください。
資金力がある場合は
まとめ買いや交渉などで仕入れ価格を抑える手段もありますが
最初は資金が少ない方の方が多いと思うので、
仕入れ価格を抑えることは非常に難しいということになります。
ではAmazonせどりはやらない方がいいのか
ここまで読んでいただいて
「よし 。Amazonせどりやろう!」
と思った方は少ないとは思います。
むしろテンションもモチベーションも
ダダ下がりという方の方が多いと思います。
僕が本当にこの記事で伝えたかったことは
Amazonせどりはやらない方がいいということではありません。
むしろ今から一番重要な部分を解説していきます。
いい加減。せどり=Amazonから脱しよう
ここまで解説したとおり
これからせどりを始める人には
非常に厳しい状況であることは事実です。
ではどうすればいいか。
売る場所はAmazonだけではありません。
このブログでも今後は他の販路について解説していきますが、
いい加減に、
売る場所=Amazon
この考えから脱してください。
Amazonせどりはカンタンです。
ですがカンタンだからこそ
・ライバルの参入が激しい
・誰でもできるから最終的には価格競争になる
・何よりも自分の物販スキル、ビジネススキルが向上しない
もちろんFBAという強力な武器が使えるので
Amazonを主体としたスタイルにはなるかと思いますが
他にも商品を売る場所はたくさんあります。
ですので、これからは
「せどり=Amazon×他販路」
が必須になります。
本質を追求する。だから面白い。
これまでのAmazonせどりは、はっきり言ってしまえば
「誰でも稼げるカンタンな方法」でした。
モノレートさえ見ることができれば仕入れの判断ができて
FBAに入れておけば勝手に商品が売れてお金が入ってくる。
少々語弊がありますが誰でも稼げました。
しかし、これからは違います。
商品を売るという「本質」を理解して
自分で商品を売ることができないと
せどりで稼ぐことは難しいです。
あなたはどっちを選ぶのか?
このブログは、
Amazonアカウントの登録の仕方や
儲かる商品情報などは一切発信していません。
他の方が丁寧に発信してくれていますし、
毎日稼げる商品を発信している人もたくさんいらっしゃいます。
僕は
「いかに長いスパンでせどりや物販ビジネスで利益を出し続けていけるか」
という本質の部分をお伝えしていきたいと思って
このブログを運営しています。
もちろん僕自身も現役で物販の会社を運営していますので、
日々学び、新しい情報を取りながらこの本質と向き合っています。
自分でも本質を伝えていくのは
非常にハードルが高くリスキーでもあります。
でも本質を伝えてこその発信だと思っています。
稼げる商品情報などを知っていれば
稼げるまでの時間はそうかからないでしょう。
でも一過性であることは間違いありません。
その情報がなくなった時は無力です。
本質を追求していけばその情報を自ら生み出すことができます。
しかしその道のりはカンタンなものではありません。
その場だけの稼ぎを優先して安易な方法を選ぶのか
少し遠回りだけどいちばん重要な本質を学ぶ道を選ぶのか。
選ぶのは自分自身で自由です。
僕はもちろん後者です。
一人でも多くの人と一緒に学んで
共に成長していきたいと思っています。