(この記事は2019年9月26日に更新しました)
ビジネスをやっていて一番怖いこと。それは資金ショートです。
- せどりで稼いでるんだけど手元にお金が残らない。
- 売上が上がれば上がるほど支払いが多くなって怖い
- 支払日までにお金が用意できなくなってしまった。
これは物販をやっていれば必ずぶち当たる壁です。
そして規模が小さくても大きくても同じことが起こります。
ではその資金ショートを起こさないためにはどうしたらいいのか。
知ってるつもりでも実は知らない物販とお金の関係について解説していきます。
複利の法則の罠
「複利の法則を理解すれば雪だるま方式にお金は増えていきます」
そんなこと知っとるわ!
と思った人はこの項目は必ず読んで下さい。
複利の法則をカンタンに説明すると
投入したお金が常に50%の利益が乗って返ってくる魔法のお金製造機があったとします。
最初に1,000円を入れると1,500円になって返ってきます。
その1,500円をまた入れると次は2,250円になって返ってきます。
つまり元手が少なくても一定の利率で増える条件で運用していくと、
どんどん雪だるま式に資金が増えていくという考え方です。
確かに複利の法則を理解して実践すれば理論上はお金は増えていくはずです。
でも自分の現状を見てみて下さい。
手元のお金って増えてますか?
毎月の利益に見合ったキャッシュが残っていっていますか?
売上や粗利は毎月右肩上がりなのにお金が全然残ってないってことになっていませんか?
もし上に当てはまっているとすれば、
複利の法則の罠にハマっている可能性が高いです。
そもそも物販で売上を右肩で上げ続けるということは、
その分投下する資金も右肩で上がっていくということです。
基本物販は在庫を売るビジネスですから在庫がないと売上が立ちません。
なので資金の流れは以下の様になります。
投資(仕入)→販売→回収(利益確保)→投資(仕入)
仕入をして販売して、売上金が着金するという普通の流れです。
でも複利の法則で増やして行くということは次の条件が必須になります。
投資(仕入)→販売(全部売れる)→回収(利益確保)→増えた利益を全部投資
よく初心者さんなどに教えられる複利の法則は
仕入れた商品が全て売れて、その分の利益を全て次の仕入に回す。
という理想論的な法則です。
でもでもよく考えてください。
仕入れた商品が全て売れることは理論上難しいです
利益として増えたお金を全部投資することは、もちろん可能ですが現実難しいです。
特に専業でやられている方はここから経費+生活費を差し引いた金額が次の仕入に上乗せできる利益になります。
もちろん複利の法則は正しいですが、速度感の問題です。
お金が増えて行くスピードが圧倒的に遅い。
しかも途中でイレギュラーが起こってお金が入用になったら
今までコツコツ増やしてきた利益なんて一瞬で飛んでしまいます。
そうしたらまた一から雪だるまを作らなければいけません。
キャッシュフローだけを意識する
せどりだけではなく
物販で一番意識することはなんだと思いますか?
利益率・利益額・回転率・在庫数
正解は
「全部」
です(笑)
当たり前に全部必要です。
でももう一つ注視する部分があります。
それは
「着金までの期間」
これが一番大事。
これさえしっかり押させておけば
キャッシュアウト(資金ショート)する可能性はかなり低くなります。
「見込み利益◯◯円でした!」
「お宝GETしましたー!」
みたいなことを言っているせどらーさんをよく見かけます。
確かに仕入をやっていて
たくさん仕入れられた時や、一つの商品の利益が万超えの商品を見つけるとテンション上がります。
これがせどりの醍醐味の一つでもあります。
でもこの時点では
1円の利益も生んでないばかりか仕入れ分がマイナスになっています。
売れて初めて利益だろ!
って思われた方
惜しいです。
売れてもお金にはなりません。
お金になるということは自分の手元に現金が入ってきて初めて利益が出ます。
売れてもAmazonのペイメントに保留になっている状態では1円にもなっていません。
ということは
売れた=利益発生
ではなく
着金=利益発生
なのです。
仮に売れるまでに1ヶ月かかって
見込5,000円の商品を仕入れたとします。
この商品は5,000円利益出ます。ではなく
この商品は1ヶ月後に5,000円利益が出ます。でもなく
この商品は1ヶ月+着金するまでの日数後に5,000円利益が出ます
ということになります。
もしカードで仕入れをしていて1ヶ月スパンで支払いが来る場合は
この商品だけに限って見たらキャッシュアウトを起こしています。
意識するポイントは
自分がお金を投資してから、自分の手元にお金が入るまでの期間
ここを必ず意識してください。
着金ベースで販路を考える
これは販路を選ぶ基準としても役に立ちます。
価格差よりも着金スピードを優先して販路を決めていくことが、
理想的な拡大につながっていきます。
ちなみに着金スピード順でいくと
ヤフオク→最強
メルカリ→1週間に1回
Amazon→2週間に1回
楽天→1ヶ月半~2ヶ月※2019年現在は1ヶ月に1回になっています
ヤフーショッピング→1ヶ月半~2ヶ月※2019年現在は払う手数料により最大月に5回の入金が可能です
楽天やヤフーショッピングは価格差が比較的大きくライバルが少ない傾向ですが、
着金スピードには要注意です。
資金が少ない、利益率が低い商品を扱っている方は不向きなプラットフォームになります。
楽天が売れやすい、ヤフーショッピングが手数料が安い
これはプラットフォームを選ぶ基準ではないです。
資金が十分にない場合は着金スピードの早いプラットフォームを再優先してください。
物販における黒字倒産
「たとえ利益率3%でも、明日売れて明後日着金するなら仕入れます」
昔、凄腕の物販の社長から聞いた言葉ですが
ここまで読んでいただいた方にはこの意味がわかると思います。
物販でキャッシュアウトを起こす原因のほとんどが
在庫と売掛金です。
売れると思っていたのに売れない。
売上金が入る前に支払いがきてしまった。
Amazonには1000万円の売上金があるのに
明日払わないといけない10万円のカード請求額が手元になかったら黒字倒産です。
結局どれだけ見込利益があっても、利益率が高くても何の意味もありません。
資金がふんだんにあればあまり気にしなくていいですが、
そうでない人がほとんどだと思います。
ましてや手元にお金がなくて、カードで仕入をしている人は
支払日までに必ず着金する商品を仕入れないといけないということです。
たとえ1万円でも払えなかったら実質黒字倒産になります。
固定費を抑えて変動費を上げる
経費や人件費には、固定費と変動費があります。
固定費は
・事務所、倉庫などの家賃
・月額制のツールなどの手数料
・月給制の人件費
要は儲かっても儲からなくても発生してくるお金です。
変動費は
・送料
・プラットフォームの手数料
・成果報酬制の人件費
こちらは売上や利益に応じて変動するお金です。
資金ショートのリスクを減らすには
この固定費を変動費に変えてくことが重要になります。
社員を雇うことは素晴らしいことですが
月給制で雇ってしまうとパフォーマンスに関係なく給料を払わなければいけません。
一方、成果報酬制の外注さんやパートさんは
成果が上がればその分を支払う形になります。
今の時代は雇用体制や仕組みをスリムにすることが中小企業が生き残っていく秘訣です。
この記事のまとめ
・投資してから着金するまでのスピードを最重要視する
・着金ベースを意識した仕入れを行う
・在庫と売掛金をしっかりと把握する
・着金スピードで今後の販路を選択する
・固定費を変動費化する
着金さえ戻してしまえば、
赤字だろうと利益が薄かろうと次の仕入れに回せます。
すでに稼いでいるせどらーさんで
思うようにキャッシュが残らないという方は
・自分が出している利益額に対して出て行くお金(経費)のバランスはどうか
・その計画で目指している収入になるまでどれだけの時間がかかるか
・仕入にフォーカスしすぎて、不良在庫を捌くことをサボっていないか
・イレギュラーが起きた時用のキャッシュが確保できているか
・自分の商品とプラットフォームがマッチしているか
・無駄な固定費はないか
しっかりと見直してみてください。